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サンバイオ株大暴落、新興市場に広がる“バイオハザード”の着地点は

 そもそもバイオ関連株の多くは赤字企業で、将来への期待値から一気に株価が高騰する反面、期待された治験が失敗となれば暴落する傾向が強い。思い起こされるのは2016年5月に発生した「アキュセラ・ショック」だ。当時、バイオベンチャーとして期待の高かったアキュセラ株は同年5月25日に一時7700円台の上場来高値をつけたが、治験失敗の発表を受けて6日連続のストップ安を記録し、2000円を割り込むなど底なしの様相を呈し、その後は上場廃止となった。

 はたしてサンバイオ株はどうなるのか。新興市場に詳しいグローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博はこう見る。

「アキュセラの治験失敗時と違うのは、サンバイオではもう一つ別のプログラム(慢性期外傷性脳損傷プログラム)で良好な治験結果が出ており、上市の可能性が高くなっていることと、昨年夏に110億円もの増資を完了させ、今後の治験を進める資金的余裕もあることです。このため、価値がまったくなくなってしまうというわけはありませんが、失望感は強く、今後の事業的価値(=期待)はいったん大きく低下したと言わざるを得ません。米国で行なっていた脳梗塞プログラムの方がはるかに商業的価値が大きいと見られていたからです」

 それでは今後のサンバイオ株、そしてマザーズ市場はどう動くのか。藤井氏の見方だ。

「サンバイオ株については、大手証券のアナリストが1500円を予想していますが、これだけ失望売りが膨らめば1000円割れになる可能性すらあります。それに伴って他のバイオ関連株も連れ安が続くでしょうし、マザーズ指数への影響も、それこそ日本から富士山がなくなるようなインパクトですから、年初来安値(789.79ポイント)を割り込む可能性もあります。

 もっともこれが、すべての個人投資家に冷や水を浴びせるわけではありません。大きなダメージを受けるのは、同社をはじめとするバイオ関連株に群がってきた一部の“投機家”です。サンバイオ株が本当の実力に見合った株価まで下がっていくと時価総額も大きく減り、それに伴いマザーズ市場へのインパクトも希薄化していくので、マザーズ全体が下がり続けるのではなく、どこかで止まるとは見ています」

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