管理職として過ごす中、年上の男性とのかかわり方に変化が起きた。
「昔は、仕事のできる年上男性を頼りにしていました。明確に上下関係みたいなものもありましたが、今は年上の男性とも対等に接しなくてはならない。管理職としての意見も求められる中で、男性特有な妙なプライドや“俺はすごいぞ”と言わんばかりの傲慢さなどが鼻につくようになったんです。それらはかつて『ステキ』『いろんなことを知っている』というふうに映りましたが、『めんどくせぇ……』に変わったんです。」
いつしかその違和感は、プライベートでも抱くようになる。サツキさんは、自分より“ステータスが高い”年上男性と付き合ってきた。結婚が視野に入った男性もいたが、その違和感が心に引っ掛かり続ける中で、別れを告げた。先に挙げたような面倒くささだけでなく、自分の立ち位置が“下”のままで、“対等”ではないことにも思うところがあったという。
「あくまで私の場合ですが、年上に対するある種の憧れが、年下男性と関わる中で解かれたのが大きいかと思います。それは、自分が“上”になれるからというわけではなく、単純に対等に、“自分らしく”いられる相手が年下だったということなんだと思います」
そんなサツキさんは最近、婚活イベントに参加。そこで意気投合した5歳年下の男性と交際中だ。彼は、自分より偏差値の低い大学卒で、勤務先もそれほど大きい会社とは言えず、サツキさん曰く「ファッションもダサいし冴えない」が、等身大に生きる仕事のスタンスや考え方が驚くほど一致していた。
「不思議と、彼にはこれまでのようなトキメキはありません。でも、人生のパートナーとして、今後共に生きることを考えると、なんだかワクワクするんです」
サツキさんのように仕事に生きる女性にとって、“年上神話”は過去のものになりつつあるのかもしれない。