Mさんは完全に自業自得だが、体調不良は受験生の最大の敵。大学職員として10年以上入試に携わっているRさん(40代)によれば、毎年救護室は大混乱だという。
「体調が悪くても無理して受けに来るからでしょう。試験中に倒れたり、もどしたりする子は珍しくありません。『インフルエンザに罹った』という連絡は毎年大量にあり、別室での受験を認めていますが、パニックになって電話口で泣く人もいます」
「昨日、終わりましたけど…」
体調不良は自己管理の問題だが、受験生にとっていよいよ避けられないアクシデントに遭遇したのは、現在出版社で働くTさん(30代)だ。
「マークシートの試験を受けていた時のことです。分からない問題があり、目をつぶって考えていると、鼻水が垂れそうな感覚を覚え、2~3回鼻をすすりました。しかしその感覚が一向になくならないので、思いっきり鼻をすすると、血の味がしました。慌てて目を開けると、出ていたのは鼻水ではなく鼻血で、血がマークシートに大量に垂れていました。試験官を呼ぶと、結局マークシートは交換となり、『君だけ○時○分までね』と救済措置を与えられましたが、通常の試験時間が終わると、一気に騒がしくなって問題を解くどころではなく、案の定不合格でした」
大学入試は、大学によっては万単位の受験生がいるもの。それだけ受験生がいれば、中には“モンスター”もいる。上述のTさんは、試験会場でこんな受験生を見かけたという。
「お昼休みに黙々と弁当を食べていると、『プシュッ』っという音がしました。隣の受験生がビールのロング缶を飲んでいました」
20歳を超えていれば、法律的には問題ないが……。現在は専業主婦をしているHさん(40代)は、試験会場でこんな受験生に遭遇したという。
「食堂でお昼ご飯を食べていたら、男の子に『ここいい?』と話しかけられ、『どこの高校?』『試験できた?』などと気安く話しかけられ、『一緒に帰らない?』と言われました。無視するつもりでしたが、試験が終わると教室の前にその男の子が待っていて、結局駅まで一緒に帰ることになり、『合格発表一緒に見に行こうよ』と電話番号を聞かれ、思わず教えてしまいました。いま思えば完全にナンパでした」