住まい・不動産

湘南ライフが送れる「茅ヶ崎」の住心地、悩ましい「海側・山側問題」も

辻堂の躍進はスゴいが…

 湘南といえば日本でも屈指のブランド地名ですが、ごく最近、地元を驚かせたニュースが辻堂の躍進です。長い間、茅ヶ崎の人間は、お隣の辻堂を“弟扱い”してきましたが、辻堂駅北口の再開発で巨大な商業施設「テラスモール湘南」が誕生し、一気に注目度が上昇。SUUMOの「住みたい街ランキング2018」では、茅ヶ崎の84位に対し辻堂が60位と、辻堂が上回っています。その前年の順位も、辻堂が50位、茅ヶ崎が85位ですから、一時的な結果ではないでしょう。

 しかし、そのことだけで茅ヶ崎が住みにくい街だと判断するのは早計です。何と言っても素晴らしいのは、買い物の便利さでしょう。駅ビルのラスカだけでも、必要なものはほとんど揃います。上述の辻堂に加え、平塚や藤沢といった街が近くにありながら、これだけ立派な駅ビルがあるのは、茅ヶ崎という街の底力を感じさせます。

 さらに駅周辺にはイトーヨーカドーがあり、イオンに至っては巨大な店舗が2店もあります。そのほかドラッグストア、飲食店、都銀の支店なども駅前に揃っており、市役所も駅からすぐなので、茅ヶ崎の街から出ずにほとんどの買い物や用事は済みそうです。

 もちろん海岸が魅力的なのは言うまでもありません。海水浴、サーフィン、海釣り、富士山を眺めながらの海辺の散歩……、都会では味わうことのできない贅沢な体験が、毎日のように楽しめます。東京や渋谷など、都心部まで通うためには1時間電車に乗ることになりますが、海辺まで出れば、左手に江ノ島、正面に烏帽子岩、右手に富士山という絶景が広がり、通勤のストレスも癒やされること間違いありません。

 そこで問題になるのが、“どちら側に住むか”という問題です。茅ヶ崎住民を大きく二分するのが、「海側か山側か」という問題。地元不動産屋では、物件を「海側」(東海道線の線路より南側)と「山側」(線路より北側)とに分けて紹介している所もあるほど人気に差があり、駅までの距離よりも海岸までの距離をアピールする不動産広告も見当たります。

 海辺のアクティビティを楽しめるのは当然海側(駅の南側)ですが、人気のある海側は物件相場が山側よりも高め。海側では、駅から離れて海に近くなるほど家賃が高くなる逆転現象も起こります。ただ、買い物の便だけで言えば山側の方が便利です。

 東京からは50km以上離れている茅ヶ崎ですが、人気が高ければ物件相場が高くなるのは当たり前で、ファミリータイプの新築マンションともなれば、軽く4000万円は上回ります。これは23区内の城東や城北地区と同レベルです。都心まで通うライフスタイルであるなら、まずは「海のある暮らし」と「通勤の辛さ」を天秤にかけて茅ヶ崎に住めるかどうかを決め、住むと決めたら今度は予算に応じて、家から海までの距離を選ぶという二段階の作業をすることになりそうです。

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