少なくともマンション3つに戸建てを5つ──昨年9月に亡くなった樹木希林さん(享年75)は、芸能界屈指の“不動産女王”でもあった。2004年に乳がんが発覚してから身の回りの整理を始めたが、趣味の不動産は増え続けた。そんな彼女が最後にこだわった「遺産相続」の中身は、思わず「さすが!」と感心させられるものだった。
樹木さんが亡くなる前に所有していた8つの不動産の土地、建物を合算すると、総額は優に10億円を超えると予想される。このほかにも年に2~3本の映画やドラマ、CMなどの出演料もあった。がんの治療代がかかったとはいえ、決して贅沢はせず質素な生活を送っていたことから、預金も相当な額があったと考えられる。ところが、これだけ巨額の遺産がありながら、樹木さん亡き後、遺族の相続はもめることなく驚くほどすんなり決まったという。
樹木さんは亡くなる半年ほど前に余命宣告を受けてから、お葬式の準備と並行して、遺産相続の準備も進めていたという。早いうちに遺産相続を終わらせ、生前に相続先を指定する遺言書を書いていたとみられる。
樹木さんの死後、都内にある3つの戸建ては相続により名義が樹木さんから娘の也哉子(42才)に変更された。樹木さんが2分の1、也哉子の夫である本木雅弘(53才)が2分の1を所有していた戸建ての土地も、樹木さんから也哉子に名義変更されている。マンションも、本木や孫の伽羅(19才)の所有となり、夫・内田裕也(79才)名義のものは、1つもない(図参照)。