芸能人・著名人の相続・終活
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樹木希林さんにみる「賢い相続」 空き家は賃貸に、会社も名義変更

芸能界でも相続トラブルは多い

 年々、「争族」と呼ばれる親族間の相続トラブルは増加。司法統計によると、家庭裁判所で受理した「遺産分割に関する処理」の件数は1万4662件(2016年)で、25年前の約1.5倍となっている。

 芸能界でも相続トラブルは多い。2014年に逝去した宇津井健さん(享年82)は、臨終の5時間前に高級クラブの女性と婚姻届を出したが、その後、2億円豪邸をめぐって女性と宇津井さんの長男が骨肉の争いを演じた。

 2017年に逝去した作曲家の平尾昌晃さん(享年79)は3人目の妻と2人目の妻の子供が60億円といわれる遺産をめぐって対立し、争いは法廷に持ち込まれた。巨額の遺産が生じる芸能界で、樹木さんも醜い遺産争いを何度も見聞きしていたはずだ。だからこそ、家族を幸せにする相続を考えたのだろう。

 樹木さんのように「相続術」を成功させるために最低限必要なのは、あらかじめ遺言書を作成して「死ぬ前の手続き」を終わらせておくことだ。

「遺言書がないと、死後に初めて親族の間で遺産分割協議が始まることになります。そうすると“自分がいちばん介護をしていたんだから取り分が多いはずだ”“遺産分割のために家を売りたくない”といったもめ事が起きやすい。

 1月13日に施行された相続に関する民法の改正により、自筆の遺言書のうち財産目録については、パソコンでの作成や通帳のコピーを利用することができるようになり、介護をした人も『特別寄与料』として相続人から貢献した分を金銭で払ってもらえるよう請求することが認められるなど大幅にルールが変わりました。認知症や病気の進行で意思疎通が難しくなってしまう前に、樹木さんのように家族が円満でいられるベストな選択となる遺言書などを残しておくべきです」(前出・曽根さん)

 不動産や預貯金だけでなく、樹木さんは家族の幸せも遺して旅立っていった。

※女性セブン2019年2月21日号

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