マネー

長生きすれば得をする「年金繰り下げ受給」手続きの流れと注意点

 * * *
 特に大切なのは、65才時点で年金事務所から送られてくる「年金請求書」を、何も考えずに送り返さないこと。送り返した時点で、受給が開始されてしまうので、繰り下げ受給が選べなくなる。

 逆に言えば、「年金請求書」を送り返さなければ、自動的に、受給開始時期が繰り下げられることになる。ただ“放っておくだけ”で年金が増えるというわけだ。「年金博士」こと、ブレインコンサルティングオフィスの北村庄吾さんが語る。

「もし夫が70才から繰り下げ受給しようと“待機”している時に急病で亡くなったら、『年金を1円ももらえずに亡くなった』と思うでしょう。しかし、年金の時効は5年間あります。つまり、5年前までならさかのぼって請求することができるのです」

 最後に、「夫よりも妻が年下の夫婦」の場合は、こんなことにも注意してほしい。

「元会社員の夫が65才になって、厚生年金を受け取り始めると、妻が65才になるまで、『加給年金』を受け取れます。多い人では年間38万円です。ただし、加給年金は繰り下げることができないので、老齢厚生年金を繰り下げると受け取れません。加給年金はもらえる額が大きいので、老齢厚生年金は繰り下げずに65才から受け取って、夫や妻の老齢基礎年金だけを繰り下げるといったテクニックを使ってください」(北村さん)

 人生100年時代、長生きするリスクに備えるためには繰り下げ受給は強力な選択肢になるはずだ。

※女性セブン2019年2月28日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。