今年のバレンタインには義理チョコに“パワハラ”という声があることが話題になったりしたが、昨今“義理チョコ不要論”はますます強くなっている印象だ。しかしこうした問題は、バレンタインに限らない。職場で頻繁に見られる“お菓子を配布する”という何気ない行為にも影を落としている。人材派遣会社に勤める30代女性・Aさんは嘆く。
「バレンタインだけじゃなく、女性が職場でお菓子の配布をする風潮は本当にやめてほしい。特に八ツ橋とかの生ものはタチが悪い。『今はいりません』とやんわり断っても、『じゃああとで食べてね』と、ご丁寧にティッシュでくるんで置いていかれたりします。“察しろ”と。結局、『もらったけど、いらないから……』と水面下で“再配布”している光景もよく見ます」
Aさんいわく、「友人が私宛てにと買ってきてくれたものは純粋に嬉しいんですが、職場に買ってきたものの雑な個別配布は不要ではないでしょうか。女性は“もらいものを喜ぶ”というレッテルを貼られていることが多い気がするけど、私は“いらないものはいらない”派なんですよね。好きな人が食べられるように、共有スペースに置いておくくらいでいいと思っています」。しかも、相手からすれば「おすそ分け」「コミュニケーションツール」など善意でやっている場合が多いだけに、無下に断りづらいという。
問題は受け取り拒否をしづらいということに留まらない。“配る行為そのもの”にも問題があるという。日用品メーカー勤務の30代女性・Bさんはこう言う。
「誰かが買ってくると、自分も買ってこないといけないといった同調圧力が辛いです。以前、給湯室で、同期の女子が『Cさんって、休んでも何も買ってこないよね』と文句を言っていたので、私が『別に義務じゃないんだし、買ってきたかったら買ってくる、でいいんじゃない?』と言うと、『だって私が買ってきたものを食べるんだったら、自分も買ってくるのがフツウじゃない!?』と力説されました。
個人的には、そもそも職場へのお土産はいらないと思っています。海外の謎のお菓子は味の想像がつかずに手を出しにくいし、切り分けないといけないようなカステラやロールケーキは、切るのも食べるのも面倒。なかには誰も手をつけず、コピー機の横あたりにずっと放置されているお菓子もあるし、本当に無駄だと思います」(Bさん)