様々な手続きや制度を活用すれば、「夫婦の年金」を最大化することができる。例えば、妻が活用できる“得する年金”の代表格が厚生年金の「加給年金」と「振替加算」だ。
これらは年金の配偶者手当に相当するものといえる。加給年金はサラリーマンの夫が65歳になって厚生年金の受給が始まったとき、生計を一にする妻が年下であれば、夫の年金に年額で最大38万9800円が上乗せされる。
妻が65歳になるまで支給されるため、夫婦の年齢差が大きいほど受け取る総額は増える。妻が「5歳年下」であれば5年間で総額ざっと200万円近くもらえるのだ。
そして妻が65歳になると加給年金は停止され、かわりに妻の年金に「振替加算」が上乗せされる。金額は妻の年齢が高いほど多く、現在75歳の妻は年約12万円、65歳なら年約6万円だ。
一方、夫より先に65歳になる年上妻の場合は夫の年金に加給年金は上乗せされず、夫が65歳になった時、「振替加算」が支給される。
加給年金、振替加算ともに「夫の厚生年金加入期間が20年以上、妻の厚生年金加入期間が20年未満」などの要件を満たせば妻が専業主婦でなくても受給できるが、申請手続きがわかりにくいためにもらい損ねているケースが少なくない。