高額療養費制度とは、一定額以上の医療費がかかった場合、限度額を超えた分の費用が払い戻されるというもの。その制度のおかげで、たとえ医療費が月に100万円かかったとしても、平均的な収入の世帯(月収28万~50万円)であれば、最終的な自己負担額は月8万7430円で済む。
「どんなに高額でも月の上限が決められているため、わざわざ高いお金を払って医療保険に入る必要はありません。万が一に備えるとしても、貯金が100万円もあれば充分です」(後田さん)
表は疾病別に発症から完治まで(がんの治療のみ)の治療費の自己負担額を算出したもの。たとえば胃がんのステージIの治療費の場合、3割負担なら5年間で約48万円のところ、高額療養費制度を適用すれば約22万円ほどの自己負担で済む。
また、そもそも最近は入院日数が短期化している。がんの平均入院日数は年々減少し、今や20日前後で退院できることがほとんどだ。長尾さんが自身の体験を話す。
「最近は長期入院が少なくなり、入院をしても高額な負担になることが少ない。そのため、高額療養費制度を活用すれば、差額ベッド代を含めた自己負担額はせいぜい10万~20万円ほどです。実際、私自身が2週間入院した時も、医療費総額114万円に対し、最終的な自己負担額は14万円で済みました」
※女性セブン2019年3月7日号