7月1日、「相続」のあり方が大きく変わる。40年ぶりに民法の相続規定(通称「相続法」)が改正され、遺言書の作成や遺産分割、故人の預金引き出し、自宅の相続方法まで新ルールが実施される。
例えば、親の死後の“争続”は、遺言書が残っていれば避けられることが多い。煩雑さがネックだが、相続法の大改正には「子供ができることが増えた」という側面もある。“親にやってもらうこと”と思われている手続きでも、子供が“代行”したほうがスムーズに進められるものが数多くある。
遺言書には、親が自分で作成し、家庭裁判所の検認を受ける「自筆証書遺言」と、公正証書として公証役場で作成し保管する「公正証書遺言」の2つがある。いずれも、まず必要になるのは「財産リストの作成」だ。
預貯金なら通帳のコピーを取り、不動産なら法務局で登記簿謄本を取得する。こうした作業は子供が手がけた方が早い。
「見落としがちなのは借金です。不動産のローンであれば登記に記載されていますが、消費者金融のような場合、借用書がないケースもある。親も隠したがるため、子供が慎重に本人から聞き出すしかありません」(弁護士の遠藤英嗣氏)