平成の31年間で、明らかに日本の社会構造が変わった。それは「共働き世帯」の増加だ。年功序列や終身雇用といった日本型雇用システムが崩壊するなか、夫ひとりが家計を支える専業主婦世帯が激減する一方、夫婦で家計を支える共働きが増え続けている。
ただし、そこでは新たな問題も噴出している。子育てをする共働き世帯にとっては、養育費の問題に加え、子どもの預け先となるはずの保育園不足の問題も浮上するなど、根本的な解決策が見いだせていないのが現状だ。そんな状況に対して、ファイナンシャル・プランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター代表)はこんなプランを提示する――。
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国の行く末を決めるのは子どもの数です。経済の拡大までは望めないとしても、せめてその規模を維持していこうと思ったら子どもの数を増やすことが最適解になるでしょう。しかし、少子化の進行を止めるのは難しい。母親予備軍に話を聞いても、「子育てにはお金がかかる」「子育てしながら働こうとしても、預ける先がない」といった不満ばかりです。
では、どうすればいいか。条件さえ整えば、根本的な解決ができる策があります。それは、共働き夫婦は高齢者世帯と同居すればいい――。
順を追って説明しましょう。
まず世帯がまとまればまとまるほど1人当たりの生活費は安く済みます。総務省「家計調査年報2017年(勤労者世帯)」では、年収500万~600万円の単身世帯の消費支出が252.6万円であるのに対し、同じく年収約600万円の2人以上世帯では353.4万円。1人当たりに換算すれば102.7万円と半分以下に収まる計算です。