今年10月の消費税10%への引き上げは、年金生活者には大きなダメージだ。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏は、「物価が増税幅と同じ2%上昇すれば、夫婦で毎月の年金収入が22万円(夫16万円、妻6万円)のモデル世帯では、可処分所得が約5万2800円目減りします。だからこそ、7か月後に迫った増税に備え、年金だけで生活する人も、働きながら年金をもらう人も、今のうちから対策を打っておかなければなりません」と警鐘を鳴らす。
だが、来たるその日に向けて怯えてばかりいる必要はない。給付金などの制度をフル活用すれば、増税で目減りする2%の年金を取り戻すどころか、家計をプラスに転じさせることさえできるのだ。
〈働かずに年金だけで生活する世帯〉は消費増税に合わせて10月から始まる『年金生活者支援給付金』が狙える。
これは、世帯全員が住民税非課税で、年金収入などの所得の合計が年約78万円(基礎年金の満額)以下の人を対象に、最高で年6万円(月5000円)が年金に上乗せされて振り込まれる“年金補填制度”だ。
厚生年金を受給するサラリーマンOBは所得基準を超えてしまうケースが多いが、専業主婦で基礎年金だけを受給する妻は受け取れる可能性が高い。