こうした工夫ひとつで、葬儀に必要な会場の規模感を掴むことができる。
「子供としては、どれほどの祭壇を飾り、香典で集まるお金や香典返し、僧侶へのお布施など必要経費の目安ができます。葬儀社に見積もりをとっておけばマネープランの参考になる」(同前)
葬儀社の選定や契約は、子供が手続きを進めることが可能だ。見積もりをベースに、葬儀費用を確保しておく「葬儀信託契約」を結ぶ選択もある。お金を出す親だけでなく喪主候補者の子供も当事者となって信託会社などと締結する契約で、仮に葬儀会社が倒産してもお金は保全される。
盲点になりやすいのが「遺影」だ。
「今の80~90代のお年寄りは紙焼き写真の最後の世代で、引き伸ばすとピンボケになることもある。
元気なうちに改めて写真館に足を運んだり、喜寿・米寿や家族の記念日に写真屋を呼んで撮影してもらい、本人のお気に入りを選んでもらうとよいでしょう。そうしないと亡くなった後の慌ただしいなか、写真選びに時間を取られてしまう」(同前)
親任せにせず、自ら動き出せば家族全員の負担を軽くするだけでなく、「亡くなった時」の手続きもスムーズになる。
※週刊ポスト2019年3月8日号