「親」といった時に、多くの人にとってそれは“実の両親”だけを指すものではない。結婚して家庭を持っていれば“義理の両親”がいる。
ひとたび義父母とお金や諸手続きを巡るトラブルに巻き込まれると、実の親との問題よりも面倒なことがあるのだ──。
たとえば、祖父母から孫への「住宅取得資金贈与」「教育資金一括贈与」「結婚・子育て資金贈与」には現在、期間限定の非課税枠が設けられ、教育費のかかる年代の子を持つ親にとっては、自分の両親だけでなく、義父母からも「孫への贈与」を受けたいと考えるのが自然だ。
しかし、やり方によっては“落とし穴”がある。
都内に住む中堅メーカー勤務の50代男性は数年前、「大学進学を控えてお金がかかるので」と義父母に頼み込んで、当時高校生の息子の教育資金として数百万円の贈与を受けた。
「家計は助かったが、折り合いが悪かった妻の兄2人との関係がさらに悪化した。義理の兄2人の家庭には子供がいなくて、“孫をダシに、自分たちが相続するはずの財産を掠め取った”と大変ないわれようだった」
義父母との「お金の話」は、義理の兄弟から反感を買うと、一気に問題がこじれる。