「受取人」が先に亡くなった場合も手続きを忘れがちだ。愛知県在住の57才主婦・千田さんが話す。
「父は生前、自分自身を被保険者にした生命保険に加入し、受取人を母に設定していました。しかし、母は3年前に父より先に他界。私が受取人になるのだろうと思い、受取人の変更をしていませんでした。しかし父の死後、保険金を受け取るのは思ったより大変でした。母の相続人が誰かということを証明するために戸籍謄本を取り寄せたりして、結局、私と弟と妹で均等に相続することになりました」
なぜ千田さんはすんなりと保険金を受け取れなかったのか、カラクリはこうだ。
父(被保険者)が亡くなったとき、保険金は母(受取人)の財産と見なされる。ただ、母は他界しているので、保険金は、母の法定相続人に分割されることになるので、母の相続人の確認など複雑な相続の手続きが必要になったのだ。税理士の岡野雄志さんが話す。
「長女(千田さん)だけに保険金を渡したいなら、母が亡くなった時点ですぐに受取人の名義変更を行うべきでした。契約者の父が存命のうちに手続きすれば、保険会社所定の名義変更請求書や保険証券、契約者の本人確認書などで書類は済み、手続きは比較的簡単です」
※女性セブン2019年3月14日号