また、同封される株主カードを使うと、同社の関連企業などでさまざまなサービスを受けられる。たとえば、オリックスレンタカーの基本料金が3割引(北海道と沖縄は半額)。オリックスカーシェアに新規入会すると、ICカードの発行手数料(1000円)が無料になるほか、『2か月×500円分時間料金無料』『月額基本料2か月無料』 といった特典を受けられる。
他にも、京都・すみだ・新江ノ島の各水族館の入館料が1割引、有料老人ホームの入居時費用が30万円割引、高齢者用住宅なら50万円割引、また全国22の温泉旅館やホテルも優待価格で宿泊できる。オリックス・バッファローズのホームゲーム公式戦でも、当日券の割引を受けられる。日常的に使えるサービスではないものの、持っておくといざという時役立ちそうな特典だ。
ただし、同社への投資に死角がないわけではない。株価はアベノミクス以降も横ばいを続けており、この期間の日本株の成長にはほとんど乗れていないのだ。割安度を測る指標をみても、PER(株価収益率)は約6倍、PBR(株価純資産倍率)にいたっては約0.7倍と解散価値を大きく割り込むほど割安に放置されている。
この背景には、同社が「その他金融業」に分類されるためマイナス金利以降の金融不人気の影響を受けているという説や、多角経営の企業は外国人や機関投資家から評価されにくいといった要因が考えられるだろう。個人投資家に大人気とはいえ、時価総額が大きいので個人株主の割合は1割に満たず、優待人気だけで株価が維持されるとは考えにくい。割高感がないため買いやすいとはいえるが、長く割安に放置され続けている点は留意しておく必要はあるだろう。
なお、2019年3月の権利を獲得するには3月26日(火)までに株を購入しておく必要がある。(文中の株価や配当利回りは3月上旬現在のもの)
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)