「おばあちゃん、オレオレ」と孫や息子を装って電話をかけ、言葉巧みに現金を騙しとる“オレオレ詐欺”は、今や娘を装うバージョンも当たり前になってきているという。警察庁の発表によると、昨年、オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺の認知件数は1万6493件、被害額356.8億円と高水準を推移。東京都の認知件数(3913件)は過去最悪だった。
手口も日々多様化している特殊詐欺に対し、高齢者は圧倒的に弱者だ。家族が知っておくべきことを防犯アナリストの桜井礼子さんに聞いた。
手口などの情報を収集し子世代が防犯先導を
「子世代が知っておくべきは、総じて高齢者の防犯意識が低いということ。地域のつながりが密で、家の無施錠も当たり前だった時代を生きてきたこともありますが、残念ながら今、犯罪は巧妙化、凶悪化しています」と桜井さん。
確かに長年の生活感覚を変えるのは難しい。若い世代がしっかり情報収集し、老親の防犯意識や対策を先導する必要があるという。まずは最近の特殊詐欺の手口を聞いた。
「主な特殊詐欺は、●オレオレ詐欺、出会い系・アダルトサイトなど“後ろめたさ”につけ込む、●架空請求詐欺、ウソの儲け話などを持ち掛ける、●投資保証金詐欺、金融機関で振り込み操作を誘導する、●還付金詐欺など。
現金の受け取り方も日々多様に巧妙化していますが■振り込み型、■現金手交型、■キャッシュカード手交型、■現金送付型、■電子マネー型、■収納代行利用型などが主な手口です」