日銀のETFの買い入れは2016年7月からスタートし、すでに3年目になりますが、現在買い入れた金額のブレークイーブンの日経平均の価格は1万8445円と試算されています。年末に1万9000円台前半まで下落した時は、日銀のETFのブレークイーブンが意識されたかもしれません。
このラインを割ってくると、日銀にとっても塩漬け状態でホールドすることになる可能性があるため、今後も重要な節目として意識した方がいいでしょう。
政府はリーマンショック並みの金融危機が起きない限り、消費税増税延期はしないと言っている背景もあり、引くに引けない状況でもあることから、株価の動きが例年よりも重視される年になっていることは意識しておくべきでしょう。
【3】参議院選挙
今年の参議院選挙は7月21日に投開票が行われる予定です。過去の例を見ても、選挙の年は株価が大きく崩れないように、政策で下支えされるケースが多いです。
特に安倍政権は日経平均株価と内閣支持率が連動する傾向が強く、日経平均株価の下落は選挙に取って致命的となります。
そのためまず夏場までは株も底堅い展開が予想されますし、先ほど説明した日銀が保有しているETFのブレークイーブンの価格も踏まえて考えると、大きな急落は予想しにくいのではないでしょうか。
そうした点をまとめると、日経平均は上記3つの要因もあって上下動を繰り返しながらも徐々に上昇し、2020年のオリンピックまでに2万7000円付近まで上昇することがあったとしてもおかしくないと考えています。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。