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【ドル円週間見通し】FOMCで米追加利上げ期待さらに低下も

FOMCで米追加利上げ期待さらに低下も

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が3月18日~3月22日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は上げ渋りか。英国議会は12日から欧州連合(EU)離脱の関連法案を採決し、強硬離脱に関する提案を否決するともに、離脱の期限を6月30まで延長することを模索している。一方、欧州の経済指標から景気回復の遅れが示されており、ポンドやユーロは目先も買いづらく、対欧州通貨でドルが再び選好される可能性がある。この動きはドル・円の取引にも影響を与えそうだ。

 ただ、3月19-20日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では政策金利の据え置きが決定される公算。会合後に予定されているパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見では、利上げを急がない姿勢が表明されるとみられており、ハト派寄りの発言内容になるとの見方が多い。直近の雇用統計では失業率の低下などで雇用情勢は改善する反面、消費者物価指数などインフレ率は鈍化し、景気腰折れが意識されているためだ。FOMCを受け、追加利上げ期待はさらに低下し、ドル売りに振れる展開も想定したい。

 また、米中通商協議については、「米企業が中国の提携先に技術移転を強制されないようにすることや、米国の知的財産権の全面的な保護について米国側は譲歩することはない」との見方が多く、協議が紆余曲折の展開となれば円買いも入りやすいだろう。米貿易赤字是正のための貿易交渉に関しては、日本との協議への思惑が広がっており、為替条項などで円安政策が封じられるとの観測が浮上している。そのため、一部で投機的な円買いが発生する可能性がある。

【米・連邦公開市場委員会(FOMC)】(19-20日開催予定)
 FRBは19-20日にFOMCを開催する。現行の政策金利据え置きの公算。FOMC会合終了後にパウエル議長の記者会見が予定されており、一段のハト派寄りのスタンスが示されればドル売りを誘発か。

【米・3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数】(21日発表予定)
 21日発表の米3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は4.0と、2月の-4.1から改善する見通し。市場予想とおおむね一致した場合、景気悪化に対する警戒感は低下し、株高を通じてドル買いに振れそうだ。

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