昨今、若者を中心に出会いの場として普及しているマッチングアプリ。縁あって結婚にまで結びつくケースもあるが、途中で挫折してしまうことも少なくないようだ。医療機器メーカーに勤めるAさん(30代/女性)もその一人だ。
「登録すると『いいね』が1日20~30件くらい来て、マッチングすれば相手とのメッセージのやりとりに忙殺されてしまう。やっと会えても『これは“ナイ”な』と思うことも多い。最初こそ新鮮ですが、だんだんその一連のやり取りが“作業”みたいになってしまい、苦痛で仕方がなくなってきました」
Aさんは都内の有名私立大学を卒業して大手企業に就職した、いわゆるバリキャリ。約1年前から出会いを求めて婚活をスタートした。仕事で忙しい日々を送るAさんにとって、合コンやお見合いよりも短時間でより多くの人に会えるマッチングアプリは、自分にとって都合が良いように思えた。
実際マッチングアプリを使い始めると、同年代や40代男性はもちろん、年下男性からも「いいね」されてマッチングすることも多々あり、Aさんは少なからず手ごたえを感じていた。だが、それは、いま思えば「地獄の始まりにすぎなかった」と振り返る。
「マッチング後が苦痛なんです。中身のないメッセージのやりとりばかりで、この人は本当に会いたいのか、会いたくないのかわからなくなってくる。いい感じだと思っていても、急に連絡がとれなくなり、時間の無駄だったと感じることもしばしば。最悪なのは、『いいね』されてマッチングしたのに、連絡がない場合があること。こっちから連絡しても返事が来ない。そういう時は、相当イライラしました」(Aさん)