そうした思いを経て、何とか実際に会うことができても、想像していたのとは違うケースがほとんど。
「たいていの場合、お互いの仕事の話ばかりで盛り上がらない。どの男性も口下手ばかり。営業職の私は、ついつい相手を楽しませる仕事モード全開になってしまい、まったく“素”が出せない。でも、そういう相手に限って、『また会えますか』と聞いてきて、本当に厄介なんです……」(Aさん)
中には、お互いお酒が好きで意気投合したハズなのに、居酒屋ではなくカフェでデートをセッティングしてきた「ケチ」な男性もいたという。2人とも五穀米と目玉焼きのロコモコ丼、そして瓶ビールを注文。合計約4000円だったので、Aさんは「割り勘」だと思っていたが、なぜか彼は当たり前のように1500円を出して会計を済ませてしまった。確かにAさんのほうが若干多く飲んだのかもしれないが、Aさんは「本当にケチ」と呆れながら、「公務員・年収700万円という話で、別にお金がないわけでもなさそうなのに。微妙に少なめに出す男性って意外に多いんです。せめて割り勘にしてほしい」とボヤキ節だ。
その後もなかなかいい人が見つからず、焦ってしまったAさんは、年収2000万円の医師だと名乗る男性とデートする機会があって、その日のうちにいい関係になった。しかし翌日以降、男性と連絡はつかなくなった。
Aさんはもうマッチングアプリには「こりごり」だという。
「もしかしたら運命の出会いがあるかもしれないし、『まずは会ってみる』を繰り返すうちに本当に恋愛に発展することもあるのかなと思いましたが、どうも私にマッチングアプリは向いてなさそう。疲れ果ててやめました」(Aさん)
マッチングアプリでの婚活をやめたAさんは、自らの失態をこう振り返る。
「経済的には一人で生きていけるし、正直、結婚はどちらでもいい。でも、親や世間からの“圧力”から逃れるために婚活をしていた自分に気づきました。出会いの数だけは担保できるマッチングアプリですが、中身のない恋愛ごっこの繰り返しで、婚活前より疲れることになるとは……。仕事の一環のような“業務感”はもうイヤです」
コスパの良さが魅力で、一見、恋愛・結婚への近道にも見えそうなマッチングアプリ。だが、うまく使いこなせなければ、疲弊してしまうのもまた事実のようだ。