初対面なのに、まるで気の置けない友達のような馴れ馴れしい言葉遣いをする人がいる。とりわけSNSでのコミュニケーションは、リアルよりも年齢や関係性が不明瞭であることが多いため、人によっては「タメ語」のハードルが低いようだ。一方で、そんな“いきなりタメ語”に戸惑う人もいる。
IT企業で働く30代女性・Aさんは、イラストコミュニケーションサービスやオンラインゲームなどを利用している際、「正直イラっとすることがある」と漏らす。
「自分の作品にコメントをもらったり、プレイ中での交流はうれしいし楽しいです。でも、一度も関わりのない人からの、いきなりのタメ語でのコメントは不快ですね。ネットでも、最初はある程度の礼儀が必要だと思うんですよ。私が古い考えなのでしょうか……」
Aさんが特に気にかかるのは、オンラインゲームだという。MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)をメインに楽しんでいるが、ここ数年、ゲーム内でのやりとりがひどくなっていると不満気だ。
「新規の人で最初からタメ語で話しかけてくる人に限って、自分から年齢をさらしたうえで、相手の年齢や性別をやけに聞いてくるパターンが多いんです。“出会いの場”と勘違いしている気がします。ゲームの世界でも、人としての礼儀として、最初から馴れ馴れしいのには戸惑います。交流を続けるなかで、会話が盛り上がって徐々にタメ語に移行していくものだと思っていたのですが」(Aさん)