相続の争い事は耳にしたことがないというので、神奈川県横浜市に構える戸建てとマンションの相続は、家族で円満に解決したのだろう。相続コーディネーターの曽根恵子さんが語る。
「不動産の相続で、最ももめやすいのは『共有名義』。いったん共有名義にすると、リフォームや改装をするだけでも当事者双方の合意が必要となり、きょうだい同士でもトラブルとなるケースが多いんです。さらに、名義人が生きているうちに共有名義を解消しておかないと、亡くなってから相続されると、配偶者、子や孫など、相続人が芋づる式に増えて、遺産分割協議の際に収拾がつかなくなることもある。
住み手が亡くなったマンションは、ひとまず奥様の名義にして、奥様の老後資金に役立てるのがいいでしょう」(曽根さん)
歌丸さん亡き後、弟子たちは師匠の教えを思い起こした。
「たくさんコレクションがありましたが、弟子たちで、『指導された言葉を大事にしていこう』と話し合ったこともあり、特別な形見分けはいただきませんでした。私にとっては師匠から生前に“贈与”された『紋付き袴』と『ネタ』が、最も大切な遺産です」(歌春)
※女性セブン2019年3月28日・4月4日号