昨年1月から始まった「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」。開始から1年で100万以上の口座が作られて人気となっている。ファイナンシャル・プランナーの清水斐氏のもとには、最近も「つみたてNISAを始めてみたい」という投資初心者からの相談が寄せられているという。清水氏が「いまさら聞けないつみたてNISAのイロハ」をお届けする。
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これを読んでくださっている方の周囲でも、「つみたてNISAを始めてみた」という人は多くなっているのではないでしょうか。報道などを通じてどうやら得らしいという印象はあるものの、投資をしたことのない人にとってはまだハードルが高いと思われがちです。ここでは、つみたてNISAをやってみようかな、と考えている方向けにその特徴を解説したいと思います。
ファイナンシャル・プランナーである私のもとには、「つみたてNISAを買いたいです」とご相談にいらっしゃる方がいます。でも、実はそんな商品はありません。
つみたてNISAは、“口座の種類”のことだと考えれば分かりやすいでしょう。その口座の最大の特徴は、「運用益(増えた分)には課税がされない」ということです。むしろ、明らかに「得」な点はそれだけとも言えます。
通常の株式などの口座であれば運用益には「20.315%」が課税されます。つまり儲けは8割に減ってしまうということ。つみたてNISAは「その課税がない分、お得だよ」という“口座の種類”なのです。
運用できる商品が決まっているメリット
たいしてメリットない、とがっかりされるかも知れません。ただし、つみたてNISAには初心者向きと言える理由があります。
それは「つみたてNISAで運用できる商品が決まっていること」です。つみたてNISAの口座で購入できるのは基本的に「投資信託」と呼ばれる、プロが運用する商品だけ。しかも、コツコツ少額から、積立をしていくのに向いていると金融庁がお墨付きをつけた商品だけが選択できます。さらに「つみたて」の名前のとおり、定期的な積立によってリスクを抑えた方法で投資することになります。つみたてNISAの仕組みに沿って、つみたてNISAが利用できる商品に投資することで、比較的安定的な運用への筋道がすでにできあがっているのです。