新元号も「令和」に決まり、31年に及ぶ平成の歴史が幕を閉じようとしている。ここでは、平成のヒットアイテムとともに、時代を振り返ってみよう。革命的ヒット商品には、“私たちの生活をより豊かなものに”という、ものづくりの想いがあった。
「平成」がスタートした1989年。世間は好景気の真っ只中。翌年の流行語は「バブル経済」。1994年、携帯電話が普及し始めた頃、産声をあげたのが『クイックルワイパー』(花王)だ。重い掃除機に代わって、片手で手軽に掃除できる新感覚の発想で、主婦層に大ヒットした。
花王・ホームケア事業部の柳田浩幸さんは、『クイックルワイパー』の開発秘話を明かす。
「開発に約7年。汚れは取れるが弱い素材を丈夫にできないか…悩んでいた時に、同僚がお風呂のタイルの目地を見て、不織布の中に格子状のネットを入れれば破れにくくなる!と閃きました。当初は静岡限定販売でしたが、わざわざ静岡まで買いに来るお客さんが続出。悲願叶って、全国販売できた時の嬉しさは今も忘れられません」
そして、1996年には『たまごっち』(バンダイ)が登場。キャラクターを育てる携帯型ゲームで、女子高生を中心に大ブームとなり、2年半の間に世界で4000万個を販売した。