CDが売れない時代となり、定額制の音楽配信サービスを利用する人も増えている一方で、注目度が高まっているのがアナログレコードだ。日本レコード協会が発表している統計データによると、国内おけるアナログレコードの生産数は年々増加傾向にあり、2018年での生産枚数は111万6000枚。2009年の生産枚数は10万2000枚なので、10年で約11倍となっている。
また今年3月21日には、CD販売大手のタワーレコードが、新宿に初のアナログレコード専門店「TOWER VINYL SHINJUKU」をオープン。CDが売れない時代に、アナログレコードが復権しているのだ。
デジタル全盛期にファンを増やしているアナログレコードだが、一体どのように楽しまれているのだろうか──。アナログレコード愛好者に話を聞いた。
オープン初日に「TOWER VINYL SHINJUKU」へと足を運んだというのは、自営業の40代男性・Aさん。10代の頃からアナログレコードを買っているという。
「とにかく音楽が好きで、ジャンル問わず聴いています。アナログ盤を頻繁に買っていたのは20代の頃。当時は、CD全盛の時代でしたが、CD化されていない古い作品を中古盤で買ったり、アナログでしか発売されない作品を買ったりしていました。しかし、iPodなどのデジタルプレイヤーが普及してからは、データ化しやすいCDばかりを聴くようになって、アナログ盤を買う頻度は低くなっていました」
そんなAさんのアナログレコード熱が再燃したのは、ここ1~2年だ。