狙われやすい日本の祝日
なぜこれだけ、口を酸っぱくして「連休中に対しての備えは必須」とお伝えしているのでしょうか。その理由を説明します。
日本が祝日ということは、アジア時間でもっとも売買が盛んな東京市場がお休みということになります。そのためアジア時間の「流動性の低下」が顕著となります。それに伴って、普段と比較して大きな値幅の変動が考えられるということです。
特に東京市場が開いていない朝方を狙って仕掛ける投機筋等もいるので、今年の年明け日本の祝日のときに起きた、“フラッシュクラッシュ”のような円高が起こらないとも限りません。
そうした背景があるからこそ、備えは必須とお伝えしています。相場は何が起こるかわかりませんが、人間が取引しているマーケットであり、同じことが意外と繰り返されるものです。自分を過信せず、謙虚な気持ちで備えておくとよいと思います。
トルコリラに投機筋の売り仕掛けが来る可能性も
最後に、トルコリラについて気になる点をお伝えさせていただきます。私は以前からトルコリラは窓埋めの31円あたりまでは戻るとお伝えしてきましたが、長期的な視点は今も変わっていません。しかし、大型連休の話も踏まえて注目しておきしたいのは、トルコリラのロングポジションの枚数です。
以前トルコリラ円が22円台から15.30円付近まで下落した際、トルコリラのロングは35万枚と高水準の枚数が積み上がっていました。その時売りポジションの枚数は2万枚程度です。
現在は20円台付近に位置していますが、ロングポジションはなんと30万枚まで増加しています。つまり可能性として、このロングポジションの損切り売りを生み出すために、大きな売り注文を仕掛けてくる投機筋がいないとも限らないということです。
特にトルコリラは高金利通貨で有名ですが、トレンドは下落傾向です。それでもトレード方法を間違えなければ、トレーダーの強い味方になる通貨でもあります。そのためには資金管理が重要であり、大きな急落が買い場と見えるくらいに余裕を持って望むことが大切になります。
まずは守る姿勢で連休は備えておいて、休暇後に再度ポジションを取るくらい余裕を持ったトレードをするのがが望ましいでしょう。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)