定年後の生活を“引き算”の発想で豊かにする方法がある。それが「攻めの解約術」である。運転免許も、定年後の有力な“リストラ候補”だ。警察庁の統計によると、2017年の運転免許の自主返納件数は約42万件だった。過去5年の累計は約170万件に達する。高齢ドライバーによる事故が社会問題化し、自主返納は大きな潮流となりつつある。
60~70代前半のドライバーなら、そこまで運転技術は衰えていないという自負がある人もいるだろう。しかし、とりわけ公共交通の充実した都市部なら、免許(車)を手放す金銭的メリットは明らかだ。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が指摘する。
「私の試算では、排気量1500ccクラスの車を手放した場合、年間50万円ほどの費用負担から解放されることになります」
森田氏の試算では、駐車場が月2万円で年間24万円、ガソリン代が月8000円で年間9万6000円、それに自動車税や任意保険、車検費用などを積み上げると年間約50万円になるのである。