4月から新年度相場がスタートしたが、今後のIPO(新規上場)市場はどのような展開になるのだろうか。投資情報サイト「IPOジャパン」編集長・西堀敬氏が、3月までのIPO市場の動向を踏まえて、今後の見通しを分析する。
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2018年のIPO市場を振り返ると、まずIPO件数は90件で着地。全90件で、上場後についた初値が公開価格を上回れば「勝ち」、下回れば「負け」、同値なら「分け」という基準による勝率を見ると、80勝9敗1分けで88.88%となった。
また、初値が公開価格に対して何%上昇したかという「初値騰落率」を見ても、全90件の平均が106%と2倍を超える高いパフォーマンスとなった。
その勢いは、2019年に入っても衰えていないようだ。2019年3月までのIPO件数は21件となったが、その勝率は20勝1敗で95.24%、平均初値騰落率は85.52%となっている。
その中でも、初値騰落率が高かったトップ3を挙げると、1位は3月13日に上場したAmazon Web Services(AWS)のインフラ基盤構築を手がけるサーバーワークス(東証マザーズ・4434)。公開価格4780円に対して1万8000円の初値をつけ、初値騰落率は276.57%と3倍を超えた。
2位は、PHR(電子的に管理される自らの健康・医療情報)プラットフォームサービス事業を展開するWelby(東証マザーズ・4438)の246.73%。3位は、2019年のIPOの先陣を切った(2月22日上場)、経営・組織コンサルティングなどを手がける識学(東証マザーズ・7049)の157.78%だった。