実際、2018年のIPO銘柄でも、上場後にいったん株価が調整した後に、開示された業績予想の上方修正や好決算発表を見たうえで、業績の変化率を好感して買われた銘柄がかなりあった。
ここで覚えておきたいのは、業績上方修正の発表後に買っても決して遅くないということ。上方修正発表後にすぐに買いを入れておけば、その後1週間から10日の間に値上がりするケースが多いのだ。「IPOジャパン」のホームページでは直近IPO銘柄の上方修正などの開示情報を手軽にチェックできるので、ぜひ活用してほしい。
さらに、東証マザーズから東証1部に市場変更するタイミングを狙う戦略も妙味がある。東証はプレミアム市場の創設など、市場再編が伝えられているが、それにはまだ時間がかかりそうだ。そこで、市場の構造が現状のまま続くことが前提になるが、新規上場した企業は、上場後1年が経過し、一定の利益基準や時価総額を満たせば、東証1部への市場変更が可能になる。
その際には、一般的に機関投資家の買いが一挙に増えるために株価上昇の可能性が高く、そうした銘柄を先回りして仕込んでおけば、大きなリターンも期待できる。市場変更の承認は東証のホームページで確認できるので、東証1部上場を予想して、その1~2か月前に買いを入れればいいだろう。
■西堀敬:投資情報サイト「東京IPO」編集長などを経て、現在は「IPOジャパン」編集長(https://ipojp.com/)。IR説明会、セミナーなども多数行なう。著書に『改定版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』など。