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定年後も働きながら年金を「満額受給」する最強の方法

 ここでは、「個人事業主」「業務請負契約」といった言葉が出てくるが、“独立”といっても大仰に考える必要はない。定年退職したら「フリーランス」に肩書きだけ変えて、“これまでと同じ仕事”をするという考え方だ。この“賢い働き方”を実践することで、選択肢は大きく広がる。

 個人事業主になっていれば、「バリバリ稼ぐのではなく、ほどほどに働いて、あと必要なぶんは年金を繰り上げ受給する」という選択にも現実味が出てくる。繰り上げによる減額はあるが、在職老齢年金のカットはなくなるからだ。

 制度を熟知すれば、様々な“賢い受け取り方”ができる。年金事務所の副所長を務めた経験を持ち、社労士で税理士の木村昇氏は「定年後に再雇用で給料をもらいつつ、業務請負の仕事もする手もある」と指摘する。

「例えば月給30万円の仕事をするなら、給料で5万円、残りの25万円は請負として受注する。完全に個人事業主になると、その人に60歳未満の専業主婦の妻がいる場合、妻の国民年金の保険料月額1万6000円の支払い義務が生じてしまいます。しかし、たとえ月給5万円でもサラリーマンを続けるかたちにしていれば、妻は保険料を払わなくて済む『3号被保険者』の資格を持ち続けられる。

 会社側にとっても、月給30万円の社員を雇うのに比べて、社会保険料の事業者負担分を大幅に圧縮できるので、そうした働き方を認めるメリットがある。月給が5万円だけなら、在職老齢年金でカットになる心配もまずありません」

※週刊ポスト2019年4月19日号

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