昨年公開された法務省の調査によると、日本で暮らす中国人は約74万人。帰化申請して日本国籍を取得している人や不法滞在者を含めると、100万人を超えるともいわれる。ママ友の集まりも、日本人だけでなく、中国人のグループを見かける機会が増えた。
東京近郊には大規模な中国人ママ友グループがいくつかあり、“WeChat”という中国版のLINEのようなスマホアプリのグループ機能を使って、食材の共同購入や子供の遊び場情報、育児に関する情報などを毎日やり取りしているという。
中国人ママたちのおしゃべりは、教育の話題になると一気にヒートアップする。日本の上場企業で働く夫を持つ上海出身の李菁菁さん(29才・仮名)が語る。
「中国では公立の小中学校でも学費がかかるから、日本の無償の義務教育は素晴らしい仕組みだと思う。日本人視点での礼儀やマナーをしっかり教えてくれることも助かります。
だけど、“人に迷惑をかけない”ことを教わるばかりで、リーダーシップを育てる教育がされていないのが心配。中国では、自分の意見を発言できるリーダー力の訓練も教育の一部です」
一方、中2の娘と小5の息子を持つ北京出身の王麗華さん(38才・仮名)は、中国のある慣習が“日本にないこと”を評価する。
「日本の学校には、『老師節(中国でいう“教師の日”)』がないのでラク。中国では毎年9月に学校の先生に贈り物をする慣習があるけど、それが充分でないと悪い成績をつけられたり、子供が冷遇を受けるから気が抜けない。宿題も大量で、深夜まで手伝っても終わらないから本当に大変ですよ」