投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が4月15日~4月19日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は底堅い展開か。3月19-20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨からハト派寄りの金融政策スタンスが鮮明になり、米国株式は上昇基調が続く見通しとなりつつある。ドルは米国株高に連動し、売りづらい展開となりそうだ。足元では雇用統計など堅調な内容の経済指標も散見されており、小売売上高やフィラデルフィア製造業景気指数などの経済指標が堅調だった場合、株高を通じてリスク選好的なドル買いに振れやすいだろう。一方、欧州中央銀行(ECB)は少なくとも2019年末までの政策金利据え置き、緩和的な金融政策を堅持する方針を表明している。金利要因でドルが消去法的に選好される可能性もあろう。
ただ、今週15-16日にワシントンで開催予定の日米通商協議では、関税だけにとどまらず為替問題に議論が及ぶことが予想されている。トランプ政権は貿易赤字是正を目指し、相手国の通貨安政策を封じており、今回の交渉で為替問題(通貨安のけん制)がテーマに含まれた場合、思惑的な円買いを招く場面もありそうだ。このタイミングで米国の主要経済指標が市場予想を下回った場合、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる可能性があることを留意すべきだろう。
【米・3月小売売上高】(18日発表予定)
18日発表の3月小売売上高は前月比+0.8%と、2月の-0.2%から大幅に改善する見通し。昨年12月は予想外に落ち込んだ(前月比-1.6%)ことから、引き続き個人消費の動向が材料視される。市場予想に沿った数字だった場合、株高・ドル高の相場展開となる可能性がある。
【米・4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数】(18日発表予定)
18日発表の米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(景況調査)は11.0と、3月の13.7をやや下回る見込み。今年2月には約3年ぶりにマイナスとなったことから、指標の下振れが警戒されている。