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小田急線・通勤ラッシュ15万人パニックはなぜ起こったのか

 小田急に限らず、電車は輸送量が圧倒的に多い分、ひとたびトラブルが発生するとリスク管理が難しい。

「小田急は、朝のラッシュ時に上りで1時間につき7万5000人の乗客を運びます。そこでトラブルが生じた場合、バスで代替しようとしたら、80人乗りでも900台必要になり、急に準備するのは不可能です。他の鉄道も朝のラッシュ時は乗客をめいっぱい詰め込んでいるので、振替輸送は難しい。結局、電車の復旧を待つしかないのが現状です」(鉄道ジャーナリストの梅原淳さん)

 もし大地震やテロといった大規模な災害や犯罪が発生して電車の機能がストップした場合、都心を走る鉄道会社が対応を誤れば、さらに被害が拡大する可能性がある。

 もちろん、小田急を含む各社はさまざまな事前対策を綿密に講じている。しかし、1時間の運転見合わせでも沿線はパニックに陥ったので、不安は少なからずある。

 鉄道には、私鉄であっても公的資金が流入している。それは、「市民の足」を担う社会インフラとして、公共性が極めて高いからだ。日々の運行の遅延の解消にしても、満員電車の解消にしても、災害やテロへの対策にしても、万全を期してほしい。

※女性セブン2019年5月2日号

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