街中には新社会人たちのフレッシュな姿が目立つ時期。男性は黒いスーツに革靴。女性もほとんどがスーツにパンプス姿だ。
しかし女性のなかには、そういった靴で一日を過ごすことに苦痛をおぼえる人も少なくない。厚生労働省に対し、職場でのハイヒールやパンプス着用の強制をなくすことを訴える署名運動は、今でも多くの賛同者を集めている。ビジネスの場における女性の靴について、現役の会社員は何を思うのだろうか。男女それぞれの意見を聞いた。
パンプスを履くことで、年配男性に「初々しく思われる」
広告関係の会社で営業職に就く女性・Aさんは、4月で社会人2年目になった。就職活動もリクルートスーツにパンプス姿で行い、社会人になってからもスーツにパンプスというスタイルを続けている。職場の就業規則では服装に関する規定はないが、職場ではオフィスカジュアルが推奨されているという。
「内定者時代に、先輩たちに服装について相談をしたところ、入社してからしばらくはリクルートスーツにパンプスというセットを勧められました。理由は、その方が“外れ”がないから。マニュアル通りの服装さえしておけば、嫌われることも生意気に思われることもなく、謙虚に見えるというような理由でした」(Aさん・以下同)
そのアドバイスを忠実に従い、入社時の研修だけでなく、実際に配属先が決まり営業活動を行うようになってからも、半年間はその服装を続けたAさん。
「かかとに隙間が出来て、パカパカ脱げるし、歩く度に疲れます。あと足も蒸れて臭くなるので、正直苦手です。ただ、リクルートスーツにパンプスは、年配の男性のウケはいいと思います。取引先の役職ある男性からも『初々しさを感じる服装』と言われて好印象だったようですし、一部の人には、“謙虚さ”を表すものとして通用するようです」
ただし、同期の女性には、パンプスをはき続けたことによって、持病の外反母趾の症状が悪化した人も。またAさんも魚の目と戦いながら、パンプスを履き続けている。