男性のスーツ姿に合わせた結果の「パンプス」
メーカー勤務の30代女性・Bさんは、「内勤になって、あまりこだわらなくなった」と言う。
「外回りで、外部に対して男性と一緒に行動するときなんかは、男性の格好とバランスをとって、スーツにパンプスでした。でも、異動で内勤になってからは、あまり気にしなくなり、つま先が少し出ているサンダルや、スニーカーなんかも履いています。
とはいえ、サンダルは肌が露出しすぎないようなもの、スニーカーもゴツすぎず、派手過ぎないもの。やっぱり、会社の雰囲気というものがあって、男性もカジュアルならいいんですが、うちの会社は男性は皆スーツ。そういう男性と働く時に、あまりにこちらがカジュアルなのも失礼かなと思って、見た目で遊びすぎているものは避けるようにしています。着るものも、スーツまではいきませんが、“ジャケット着用”をマイルールにしています」
ハイヒールも大変だが、男性の革靴も履きづらい
金融機関管理職の50代男性・Cさんは、新卒および中途の採用では面接官も務める。同社では、「業務上差し障りない、華美にならない服装」を推奨。女性の服装については、これまであまり気にしたことがなかったという。
「虎やヒョウなどの柄物を着ている時や、あまりにも香水の匂いがキツい時など、モノを言いたくなる時はあります。ですが、職場では足下まで気にしたことはありません。ハイヒールなのか、パンプスなのか、ブーツなのかなどはいちいち見ていませんし、気になりません。
ハイヒールは歩くのが大変そうですが、正直、男性の革靴も履きやすいものではない。男女問わず、もう少しちょうど良いビジネスシューズがあればいいのにな、とは思います」(Cさん)
しかし、採用面接となると話が異なるという。
「面接では、ほとんどの方がヒールのある靴かパンプスで、色は黒。水色やピンクなどの少し華美な色だと、思わず足下に目が行くこともありますね。直接的な評価にはつながりませんが、少し目立つ色を履いてると、個性を主張したり輪を乱すのでは、と色眼鏡で見てしまうのは事実です。TPOの問題だとは思いますが、場に即した服装を心がけることが一番大事なのではないでしょうか」(Cさん)
強制まではされないものの、因習が残る職場や、面接などといったビジネス上の場であれば、いまだにヒールのある靴やパンプスが無難とされているのが実情。しかし前述の女性のように、外反母趾など、体に不調をきたしてしまっては本末転倒だろう。