国民が“安心の定年後”を暮らすための「年金制度」は、平成の30年間で逆に“不安の種”となった。くわえて今後も年金制度を維持していくためには、国民にとってさらなる改悪は必至の状況だ。令和の時代に年金制度はどう変わっていくのか。
現在の年金制度の3つのポイント
まずは現在の年金制度がどうなっているか、その基本を見てみよう。そもそも日本の年金制度は、「3階建て」と表現され、どの年金に加入するかは職業によって異なる。
【1】「第1~3号」で年金が違う
「第2号被保険者」と呼ばれるサラリーマンなどは「1階部分」の国民年金、「2階部分」の厚生年金に加入する。1階部分は加入期間の長さによって、2階部分は現役時代の報酬によって受け取れる額が決まる。公的年金ではない「3階部分」の企業年金を用意する会社もある。
自営業者などは「第1号被保険者」で、20~60歳まで国民年金への加入義務がある。「2~3階部分」として国民年金基金があり、都道府県別や職業別に組織され、自由に加入口数や加入年数を選べる。
サラリーマンや公務員の専業主婦の妻が「第3号被保険者」で、保険料の負担なしで将来、1階部分が受け取れる。