改元と同時に「令和の年金改悪」が始まる。そのメインターゲットは団塊ジュニア(1971~1974年生まれ)だと考えられる。現在48歳(1971年生まれ)の団塊ジュニアから年金70歳支給になるように、支給開始年齢を68歳→70歳→75歳へと段階的に引き上げる。その手始めに導入されるのが「75歳選択受給」だ。
「平成の改革」では、男性サラリーマンの年金支給開始年齢が2001年から段階的に引き上げられてきた。今年58歳の1961年生まれの世代から完全に65歳支給に移行し、激変緩和措置として65歳前にもらえる厚生年金の特別支給もなくなる。完全移行は2026年の予定だ。
では、次の70歳への支給開始年齢の引き上げはいつから始まるのか。実は、民主、自民、公明3党合意で消費税10%増税を決めた7年前の「税と社会保障一体改革」の際、社会保障審議会年金部会では68歳への支給年齢引き上げの具体的なスケジュールが議論された。
当時、厚労省が年金部会に提出したプランには、65歳支給の完全実施を早めて「2024年」から上げていく案と、従来の引き上げペースのまま2026年に65歳支給に移行した後、そのままのペースで「2029年」から66歳、67歳へと2年に1歳ずつ引き上げていく案が示されている。
このうち、団塊ジュニアから70歳支給になるのが後者の案だ(実施が7年間遅れたために前者のスケジュールは今からでは間に合わない)。
「団塊の次に人口が多い団塊ジュニアが年金をもらい始める前に70歳支給に引き上げる」という「令和の年金改革」の狙いからみると、この2029年開始のスケジュールを基本に70歳→75歳へと支給開始年齢を引き上げていく議論が進められると予想される。
そこで、本誌・週刊ポストは生まれた年ごとに、年金がいつから支給され、どのくらい減額されるかをシミュレーションした(別掲表参照)。