富裕層が数多く暮らす東京・港区の麻布界隈。そこに住む“麻布妻”たちにはセレブな専業主婦もいれば、バリバリのキャリアウーマンもいる。専業主婦世帯と共働き世帯、ネットではそれぞれの主張が繰り広げられることも少なくないが、どうも麻布妻の場合は会話が噛み合わなかったようだ。自身も麻布妻でライターの高木希美氏が富裕層妻のトークバトルをリポートする。
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私と同じマンションに住む、黒髪がよく似合う晴香さん(仮名、以下同)。彼女の娘は、2歳になりました。ご主人は外資系金融。同じマンション、同じ外資系の夫を持つ妻、子供も同じ年で共通点が多かったのでママ友になりましたが、実態は激しいマウンティングを繰り広げる方でした。
「うちの旦那くんって稼ぐんですぅ」「うちの旦那くんに言わせると」と、主語は自分ではなく「うちの旦那くん」から始まるのがお決まりのパターンです。
「マイさんってかわいいけど、色気が足りないかも。うちの旦那くんはグラマーが好きだから好みって言わないと思う」「うちの旦那くんに言わせると子供は3歳までが勝負なんですよ」など悪気なくペラペラと話すので、反感を買うことが多いのも事実です。
先日、そんな晴香さんも参加した麻布妻が集まるランチ会で、妊娠中のプレママが参加しました。生まれる前に同じマンションのママと交流したいと、他の妊婦のママに誘われたバリキャリ風の麗奈さんです。
一通り「晴香さんの旦那くん」について初対面の麗奈さんも理解(?)したところで、麗奈さんが「晴香さんの旦那さんって、けっこうお金使わせてくれるんですか?」「うちは、家賃は夫が出してくれるけど、食費はお互い折半で。ほら私働いているんで」と切り込みました。
それに対して晴香さんは、「うちは買い物の予算が、旦那くんは20万円、私は10万円とか毎回決めて伊勢丹に繰り出すんですー」と答えます。
麗奈さんは好奇心なのかイライラしているのかその後も晴香さんに挑んでいきます。
「私働いているんで」を繰り返しつつ、「旦那さんの年収いくらですか?」「職業は? 外資系? なら、3000万円くらい?」「家事とか、自分できちんとしてますか?」などけっこう立ち入った質問をしていました。晴香さんが持っている持ち物も、買ってもらったのか自分で購入したかまで聞いていました。
はっきりバトルするわけではないのですが、ピリピリした会話が続きます。
麗奈さん:「私は働いてるんで、食事は夫と分担するし、子供が産まれても子育ても手分けするけど、専業主婦だったら家事育児は1人でやると思います。しかも働いてなかったらそんなブランド品とかは買わないかな」
晴香さん:「うちの旦那くんは家に奥さんにいてほしい人だから私も仕事しないで家にいるし、専業主婦も立派な仕事だと思うよ~」