消費者のニーズは、より個性化、多様化しているが、中国では、そうした変化に対応したサービスが次々と生まれている。
日本にも、アフィリエイト(成果報酬型)広告のように、インターネットを通じて、いろいろな商品の紹介を代行するサービスがあり、それで収入を得ているアフィリエイターがいる。その一方で、販売店から収入を得て、高評価の口コミ情報、「やらせ」レビューを大量に書き込む悪徳サクラ業者がいるのも事実。
中国では、そうしたサクラ行為を行う者が大量に発生したことで、今や、こうした口コミ情報を信じる消費者はほとんどいないといった状態になっている。しかし、このサクラ行為が広く世間に知れ渡ることになって、それからヒントを得てそれをビジネス化したとみられる一風変わったサービスが最近注目を集めている。
消費者が料金を払い、積極的に褒めて貰ったり、励ましてもらったりするサービスである。
テンセントが運営する無料メッセンジャーアプリ・微信(WeChat)上には、“夸夸群”という有料の“SNSグループ”サービスがある。
たとえば、仕事に慣れずに、ストレスを抱えている新入社員が、寝坊して遅刻してしまったとする。SNSの“夸夸群”に入り、「今日は朝寝坊して半休を取ってしまった」と書き込むと、すぐさま、「午前中にしっかりと休みが取れたので、午後はすごく体調が良かったでしょう」などといったポジティブな「励まし」が多数書き込まれる仕組みとなっている。
1分5元(85円、1元=17円で計算、以下同様)程度の料金を払うと、たくさんの見ず知らずの“友達”から誉め言葉を貰い、元気をもらえるといったサービスである。