競争社会の中で、営業ノルマに追われたり、同僚よりも少しでも良い企画、アイデアを出すことで社内評価を高めようとしたり、必死にもがいている中国の若いサラリーマンは、日々、大きなストレスと向き合って生活している。時には自信を喪失し、肉体的にも、精神的にも疲れ果ててしまうこともあるだろう。周りは競争相手ばかりであり、友達などいないといったサラリーマンにとって、こうしたサービスはありがたく感じるようだ。
もっとも、上辺だけの励ましに、どれだけの安定した需要があるのかわからない。しかし、ビジネスは試行錯誤である。いろいろなサービスが生まれては消えていく中で、本当に必要なサービスが生き残っていくのであろう。
他にも奇抜なサービスが幾つも見られる。消費者がお金を払って、代わりに飲み食いしてもらうといった“代吃喝”が最近、ネット上で話題を集めている。
例えば、ダイエット中で食べたくても食べられない消費者が、一回8元(136円)程度の料金を支払い、火鍋を食べてもらい、それを映像情報にして送ってもらうといったようなサービスである。食事でも、飲み物でも、いろいろなバリエーションがある。もちろん、実際の食事代、飲み物代よりも格安であり、供給者はニーズが少なければ赤字となってしまうが、逆に同じようなニーズをたくさん集めれば、大きな利益が得られることになる。
食事、食べ物以外でも、動物を飼うことができない消費者のために、動物を可愛がるサービスがある。特に猫が人気を博しているようだ。
中国では、ユーザー側も、供給側も、試行錯誤を続けながら、新たなビジネスを模索しているようだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。