2001年末から注目されるようになった「BRICs」という言葉を覚えているだろうか。21世紀に大きな成長を遂げると予想されるブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の4か国の英語の頭文字をとった総称で、「BRICs」関連のファンドが続々と生み出されるなど、一時は有望な投資先として持て囃された。最近ではその言葉自体、耳にする機会が減っているが、あれから18年、どこまで成長したのだろうか。新興国の経済情勢に詳しいグローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が解説する。
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2001年以降、「BRICs」がまるで世界を席巻するようなブームに沸いた。もともとは2001年に米投資銀行ゴールドマン・サックスのジム・オニール氏によって書かれた『Building Better Global Economic BRICs』という投資家向けのレポートで使われ、その後、世界中に広まった言葉だ。では当時、その成長期待を信じて各国に投資信託などで投資を行なっていた場合、どうなっただろうか? さっそく見てみたい。
まずは各国の主要指数の推移を見てみよう。ここでは仮に2001年末に購入し、2019年3月末まで保有していた場合の成績を検証してみたい。
【ブラジル ボベスパ指数】
指数数値評価 13577.57ポイント→95414.55ポイント(7.03倍)
円換算評価 769.894円→2710円(3.52倍)
【ロシア RTS指数】
指数数値評価 260.05ドル→1198.11ドル(4.61倍)
円換算評価 3万4129円→13万2715円(3.88倍)
【インド SENSEX指数】
指数数値評価 3262.33ポイント→38672.91ポイント(11.85倍)
円換算評価 8894.74円→6万1794.49円(6.95倍)
【中国 上海総合指数】
指数数値評価 1645.971ポイント→3090.758ポイント(1.88倍)
円換算評価 2万6159.73047円→5万1006.87891円(1.95倍)
このように、世間の注目度が下がっている反面、いずれもこの18年間で大きく上昇していることがわかる。なかでも最も大きく上昇したのはインドのSENSEX指数で、ブラジルのボベスパ指数、ロシアのRTS指数と続く。