インターネット上で巨大な商圏を築き上げたプラットフォーマー企業が、いまや世界経済で大きな存在感を見せている。その筆頭が、グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン・ドット・コム(Amazon)の4社で、その頭文字をとって「GAFA」と呼ばれている。では、それらに続く有力プラットフォーマー企業はどこにあるのか。グローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏が解説する。
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世界の株式市場全体の時価総額ランキングを見ると、1位がアップル、2位がマイクロソフト、3位がアマゾン・ドット・コム、4位がアルファベット(グーグルの持ち株会社)、5位がバークシャーハサウェイ(米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社)、6位がフェイスブックとなっている(2019年4月14日時点)。「GAFA」やそこにマイクロソフトを加えた「FAAMG」と呼ばれる企業が世界の時価総額のトップランキングに君臨している格好だ。
なにしろその時価総額もケタ外れに大きい。たとえば、1993年1月時点の世界の時価総額トップ企業はエクソンモービルで、時価総額は762億ドル。これに対してアップルの時価総額は9377億ドルと実に10倍以上となっている。これは2008年の金融危機後に世界の中央銀行が景気回復を狙って莫大にマネタリーベースを増やし、世界中に溢れたマネーが株式市場に大量流入した結果であり、これら上位企業の時価総額は過去の株式市場のトップランキングを取ってきた銘柄に比べ極端に高い時価総額となっているのだ。
そして、時価総額の大きさはこれらの企業にさらなる好循環をもたらしている。高い時価総額を利用し、株式交換や新株発行による調達資金によってイノベーティブなハイテク企業の買収や、年間数千億円という株式報酬を従業員に渡すことで、手元キャッシュを動かすことなく最優秀のハイテク人材を集め、留まらせることができている。したがって、ここに挙げた企業は今後さらなる成長も期待できる格好だ。
では、世界を見渡して、明日の「GAFA」や「FAAMG」となり得る企業はあるのだろうか。
結論からいえば、新興国で同様の成長を遂げている企業が挙げられる。たとえば中国の2大IT企業、テンセント(騰訊控股/香港・00700)やアリババ(NYSE・BABA)はその筆頭だろう。もっともこの2銘柄は既に世界の時価総額トップ10の中に入っている企業でもある。