家計

高齢者の免許返納 交通事故の心配なくなるだけでなく金銭メリットも

車を売却すればタクシー生活でも年間12万円浮く計算に

車を売却すればタクシー生活でも年間12万円浮く計算に

 87歳男性の運転で母子が亡くなった東京・池袋の交通事故(4月19日)もあり、高齢者の運転に対する世間の目はますます厳しくなるばかりだ。

「年とともにとっさの判断力が衰えてきて、免許を返納したほうが良いとは思うのですが、うちは交通の便が悪いから、運転免許を返納すると病院や買い物に行くにもタクシーが必要になる。タクシーばかり使っていたら、どれだけお金がかかることか……」(75歳男性)

 こんな悩みを抱えている高齢ドライバーは少なくないだろう。

 しかし、実は移動にタクシーを使ったとしても、いま乗っている車を手放したほうが金銭的にはメリットがある。

「都市部で車を持っていると、1台につき月々の駐車場が約2万円、ガソリン代が8000円ほどかかります。さらに任意の自動車保険が年間6万円程度、自動車税が年間3万4500円程度、加えて車検費用も必要になる。車を手放せば、それだけで年間50万円ほどの節約になるのです」(ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏)

 週に2度、病院通いや買い物でタクシーを利用し、1回の往復で4000円、月に3万2000円タクシー代を払ったとしても、十分におつりがくる。地方で駐車場代がかからなかったとしても、移動距離が増える分ガソリン代がかさみ、車のメンテナンス回数も増えるなど、やはりコストは総じて高くなりがちだ。

 免許返納による“特典”も見逃せない。

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