「定年後のお金」を巡る情報が溢れている。様々なメディアが「得する年金」や「揉めない相続」そして「死後の手続き」を特集しているが、実はそれらを個別に見ているだけでは、本当の“あんしん老後”を送ることはできない。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が指摘する。
「本当に大切なのは、医療や介護、年金といった“ジャンル”を超えて『いつ何を手続きするか』を把握しておくことです。特定のタイミングでしか受けられない給付や、逆に時期を誤ると罰金が科せられるものもある。それゆえ、事前に手続きの流れやタイミングを家族と一緒に整理しておくことが重要なのです」
以下、「70代でやるべき手続き」が一目でわかるカレンダーを掲載した。いつ、どこで、何をやるか──。
70~80歳 介護、医療にお金がかかるけどこんなに減らせる、戻ってくる
【介護保険】介護保険サービスを受けるための「要介護認定」
(「介護保険要介護・要支援認定申請書」など→市区町村役場へ)
市区町村担当者の聞き取り調査などによる「1次判定」と介護認定審査会の「2次判定」があり、認定までに1か月程度かかるケースも。
【介護保険】介護費用が戻ってくる「高額介護サービス費」
(「高額介護サービス費支給申請書」など→市区町村役場へ)
介護保険サービスの自己負担額が一定額(生活保護受給者を除く住民税非課税世帯なら世帯月額2万4600円)を超えた場合、超過分が戻ってくる。