ユーロ円は年初に差し込み傷のような形で下押しした後、124 円から127円のレンジで推移しています。
先ほど説明したように恒常的なユーロ売りが出やすい環境ではあるものの、クロス円はドル円に引っ張られる動きにもなっています。この間、ドル円が上昇していたこともユーロ円の底堅さに繋がったと言えるでしょう。
もちろんユーロドルで見るとユーロ圏の景気のほうが悪いため、下落しやすい環境ではあります。一方でドル円が上昇しているため、ユーロドルの影響とドル円の影響が綱引きして、現状のユーロ円相場の動きに繋がっています。
個人的にはユーロ円に関してはキャリーがわずかながらも入るため売り目線でいますが、あまり大きなビューは、現在あえて持たないようにしています。ドル円やユーロドルの動きをきちんとチェックしたうえで、チャートでエントリーを判断したいと思っています。
イギリスのEU離脱問題に揺れるポンド
EU離脱を10月末まで延期したイギリスのポンド相場は、引き続きニュースに翻弄される状況が続いています。私はニュースで取引はしないので、一喜一憂することは全くないのですが、個人的な感想を1つご紹介したいと思います。
まず、EU離脱問題の影響で揺れるポンドの動きですが、直近では148円台から145円と高値から3円50銭程度しか下落していません。
以前、武田薬品がシャイアーを買収した際は(それが全てを反映しているわけではありませんが)、ポンド円は17円程度の大幅上昇を見せました。
今回は「ユーロ圏から離脱しなくてもいい」という人もいれば「離脱した方がいい」という人もいて、強弱混在の雰囲気にマーケットが反応できていないのか、フローが入り混じっているのかわかりませんが、値幅が出ない状況となっています。
これは昔の話になりますが、香港がイギリスから独立したとき、ポンドは大幅に上昇しており、個人的には今回のEU離脱も、離脱後には結果的にポンドが上昇するのではないかと考えています。
とはいえ、最終的にはチャートで判断しますし、そのような動きに相場が向かうときはチャートを見ていれば分かるので、トレーダーはチャートを常日頃からチェックしておけば大きな問題はないと考えています。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)