2017年の初婚年齢(全国平均)は夫が31.1歳、妻29.4歳。平均初婚年齢は上昇傾向にあり、晩婚化が進む要因としては、ライフスタイルの多様化や女性の社会進出などが指摘されている。ここから、「結婚」はかならずしも人生のゴールではなく、選択肢の一つだという認識が広まったようにも見受けられる。
しかし一方で、ここ数年「結婚への焦り」を口にする若い女性も増えているという。都内の大学で講師を務める女性・Aさん(30代)が語る。
「学生が利用しているアプリについて講義アンケートを取っているのですが、ここ数年『婚活アプリ』を使っているという女子学生が非常に多いことに驚きます。なかには入学してすぐの1年生が使っているケースもある。
休み時間に学生から話を聞くと、『全然出会いがないんです!』『学生のうちに結婚相手候補を見つけないとマズい!』『周りも普通にアプリを使っていますよ』といった声が聞こえてきました。『キャンパス内で付き合ったり別れたりしたら、その後の学生生活が気まずいから外で見つけないと』と飄々と語る女子学生もいますね」(Aさん)
なぜ、婚活アプリを使っている女子学生が目立つようになったのか。Aさんは、次のように分析している。
「2000年代までの『出会い系サイト』は援助交際や性被害などの印象と結び付けられることもあり、人前で堂々と『出会い系を使っている』と言えないムードがありましたよね。その後、スマホが普及しアプリが広まると『出会い系アプリ』が広まりましたが、やはり当初は不健全な印象があった。
それが最近では『婚活アプリ』となって、ニュアンスが健全化している印象です。“ネット婚活”で結婚する人も少なくない時代ですから、今の大学生世代にはネガティブなイメージがあまりないようです。彼女たちに話を聞くと、『街中でのナンパの方が怪しい』『個人情報を登録するからアプリの方が安全』という声もあります」(Aさん)