Amazonは昨年、日本事業単体で約1.5兆円と過去最高の売上高を記録。EC事業に止まらず、映像コンテンツの制作配信からAIアシスタント「Alexa」に至るまで、幅広いサービスを提供し、すっかり日本人の生活に定着している。
とりわけ、商品が即日配送される便利さはAmazonならではの価値。しかし、それにもかかわらず、利用を控えるようになる人も現れているようだ。かつてはヘビーユーザーだったと自称する30代の女性会社員・Aさんは、こう話す。
配達員が大変そうで、罪悪感
Aさんは、昨年Amazonで年間50万円ほど使ったというヘビーユーザー。注文した商品が、当日もしくは翌日と早く届くことが魅力で、少しでも気になる商品があれば、たとえ少量であろうと気軽に注文していた。しかし、最近はAmazonでの買い物を控え、実店舗での商品購入を増やしているという。きっかけは些細な出来事だった。
「その時はクリスマス前ということもあり、配達のお兄さんはとりわけ大変そうでした。夜の遅い時間帯にも関わらず、ワンボックスカーの中には段ボールがパンパン。でも、このお兄さんにも、プライベートがあることを考えると、Amazonで商品を注文するのが申し訳なくなってきて……」(Aさん)
Amazonは、配達の大半を担っていたヤマト運輸との配送料に関する交渉が不調に終わり、ヤマトが当日配送から撤退。提携する配送業者(デリバリープロバイダ)による配送を増やしている。30代の男性・Bさんは、このデリバリープロバイダによる配達が増えて以降、Amazonでの利用を控えるようになった。
「デリバリープロバイダになってから、配送が雑なのが目立ちます。最近は在宅確認をすることなく、宅配ボックスに入れられていることもある。配送量も多いでしょうし、仕方ないのかもしれませんが、ヨドバシ・ドット・コムなど、別のサービスを使いたくなります」(Bさん)