住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「日暮里」(東京都荒川区)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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これまで日暮里と言えば、山手線の中でも屈指の地味な駅でしたが、最近、その認識を改めさせられるような事件がありました。住宅ローンの「アルヒ」が発表する「本当に住みやすい街大賞2019」で日暮里が3位にランクインしたのです。SUUMOの「住みたい街ランキング」ではギリギリ100位に入るか入らないかの街ですが、そんなに住みやすい街なのでしょうか?
鉄道はJR山手線、京浜東北線、常磐線、京成線、日暮里・舎人ライナーの計5線。山手線が通っているだけで大満足ですが、京成スカイライナーで成田空港までも36分と、渡航が多い人にとっては大変便利です。強いて言えば、地下鉄が通っていないのが不満点ですが、隣駅の西日暮里には東京メトロ・千代田線が通っており、日暮里~西日暮里駅間は歩いても10分程度。鉄道に関しては申し分ありません。
鉄道状況とは対照的に、道路状況は良くありません。近隣の主要な幹線道路は尾久橋通り、明治通り、日光街道などですが、西日暮里駅前や田端新町一丁目交差点、上野駅近辺など、渋滞ポイントが多く、山手線の円の内側の谷根千(谷中・根津・千駄木の総称)方面は、車で動きやすい街並みではありません。首都高速1号線をいかに上手に使いこなすかが、この街で車を上手に使うポイントになりそうです。